紫式部集105 改めて:原文対訳・逐語分析

104神代には 紫式部集
第九部
宮中と女房

105改めて
異本100
106めづらしと
原文
実践女子大本
(定家本系筆頭)
現代語訳
(渋谷栄一)
注釈
【渋谷栄一】
睦月の三日、  正月三日に、  
内裏より出でて、 宮中から退出して、  
古里のただしばしのほどに 実家がただわずかのうちに  
こよなう塵積もり すっかり塵が積もって  
荒れまさりにけるを、 荒れ方がひどくなってしまったのを、  
言忌みも 不吉な言葉を慎しむことも  
しあへず、 しきれず、  
     
改めて 新年になった 【改めて】-「改めて」と「年が改まって」との掛詞。
今日しもものの 今日、何となく  
悲しきは 悲しい気持ちがするのは  
身の憂さやまた わが身の嫌さがまた  
さま変はりぬる 様変わりしたのであろうか