古事記 よさみの池の歌(依網池)~原文対訳

花橘の歌 古事記
中巻⑧
15代 応神天皇
愛の歌物語
6 よさみの池の歌
古波陀嬢子の歌
原文 書き下し
(武田祐吉)
現代語訳
(武田祐吉)
又御歌曰。  また、御歌よみしたまひしく、  また、
     
美豆多麻流 水渟たまる 水のたまつている
余佐美能伊氣能 依網よさみの池の 依網よさみの池の
韋具比宇知「比斯」賀 堰杙ゐぐひ打ちが  堰杙せきくいを打うつてあつたのを
「良能」佐斯祁流 斯良邇 刺しける知らに、 知しらずに
奴那波久理 ぬなは繰くり  ジュンサイを手繰たぐつて
波閇祁久斯良邇 延はへけく知らに、 手の延びていたのを知しらずに
和賀許許呂志(叙) 吾が心しぞ  
伊夜袁許邇斯弖 いやをこにして 氣のつかない事をして
伊麻叙久夜斯岐 今ぞ悔しき。 殘念だつた。
     
如此歌而賜也。 と、かく歌ひて賜ひき。  かようにお歌いになつて賜わりました。
花橘の歌 古事記
中巻⑧
15代 応神天皇
愛の歌物語
6 よさみの池の歌
古波陀嬢子の歌