古事記 履中天皇・事績~原文対訳

飛鳥の由来 古事記
下巻②
17代 履中天皇
事績
履中天皇陵
原文 書き下し
(武田祐吉)
現代語訳
(武田祐吉)

反正が反乱平定

     
故參出
石上神宮。
かれ石いその上かみの
神宮にまゐでて、
かくて石いその上かみの
神宮に參つて、
令奏天皇。
政既平訖
參上侍之。
天皇に
「政既に平ことむけ訖へて
まゐ上り侍さもらふ」
とまをさしめたまひき。
天皇に
「すべて平定し終つて
參りました」
と奏上致しました。
爾召入而。
相語也。
ここに召し入れて
語らひたまひき。
依つて召し入れて
語られました。
     
天皇。  天皇、  ここにおいて、
於是以阿知直。 ここに阿知の直を、 天皇がアチの直あたえを
始任
藏官。
始めて藏くらの官つかさに
任まけたまひ、
大藏の
役人になされ、
亦給粮地。 また粮地たどころを賜ひき。 また領地をも賜わりました。
     

事績

     
亦此御世。 またこの御世に、 またこの御世に
於若櫻部臣等。
賜若櫻部名。
若櫻部わかさくらべの臣等に、
若櫻部といふ名を賜ひ、
若櫻部の臣等に
若櫻部という名を賜わり、
又比賣陀君等。
賜姓
謂比賣陀之君也。
また比賣陀ひめだの君等に、
比賣陀の君といふ
姓かばねを賜ひき。
比賣陀ひめだの君等に
比賣陀の君という
稱號を賜わりました。
亦定
伊波禮部也。
また伊波禮部いはれべを
定めたまひき。
また伊波禮部を
お定めなさいました。
飛鳥の由来 古事記
下巻②
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事績
履中天皇陵