紫式部集106 めづらしと:原文対訳・逐語分析

105改めて 紫式部集
第九部
宮中と女房

106めづらしと
異本101
107さらば君
原文
実践女子大本
(定家本系筆頭)
現代語訳
(渋谷栄一)
注釈
【渋谷栄一】
五節のほど  五節のころに  
参らぬを、 参上しないのを、 【参らぬ】-「まいる」は平安の仮名遣い。
口惜しなど、 残念ですなどと、 【口惜しなど】-実践本「くちおし」は定家の仮名遣い。
弁宰相の君の 弁の宰相の君が 【弁宰相の君】-藤原道綱の女豊子、大江清通の妻。
のたまへるに、 おっしゃっていたので、  
     
めづらしと 素晴しいと  
君し思はば お思いになりますならば、  
着て見えむ 着てお目にかかりましょう  
摺れる衣の 摺衣を 【摺れる衣】-青摺の衣。五節の行事にたずさわる人が着た。
ほど過ぎぬとも 五節のころは過ぎたとしましても