源氏物語 野分:巻別和歌4首・逐語分析

篝火 源氏物語
和歌一覧
各巻別内訳
28帖 野分
行幸

 
 源氏物語・野分(のわき)巻の和歌4首を抜粋一覧化し、現代語訳と歌い手を併記、原文対訳の該当部と通じさせた。

 

 内訳:1×4(明石、玉鬘、源氏、夕霧)※最初最後
 

野分・和歌の対応の程度と歌数
和歌間の文字数
即答 0  40字未満
応答 2首  40~100字未満
対応 0  ~400~1000字+対応関係文言
単体 2首  単一独詠・直近非対応

※分類について和歌一覧・総論部分参照。

 

→【PC向け表示
 上下の句に分割したバージョン。見やすさに応じて。

 なお、付属の訳はあくまで通説的理解の一例なので、訳が原文から離れたり対応していない場合、より精度の高い訳を検討されたい。
 


  原文
(定家本校訂)
現代語訳
(渋谷栄一)
386
おほかたに
荻の葉過ぐる
の音も
憂き身ひとつに
しむ心地して
〔明石〕ただ普通に
荻の葉の上を通り過ぎて行
く風の音も
つらいわが身だけには
しみいるような気がして
387
吹き乱る
のけしきに
女郎花
しをれ
しぬべき
心地こそすれ
〔玉鬘〕吹き乱す
風のせいで
女郎花は
萎れてしまいそうな
気持ちがいたします
388
下露に
なびかましかば
女郎花
荒きには
しをれざらまし
〔源氏〕下葉の露に
なびいたならば
女郎花は
荒い風には
萎れないでしょうに
389
贈:
騒ぎ
むら雲まがふ
夕べにも
るる間なく
られぬ君
〔夕霧→雲居雁〕風が騒いで
むら雲が乱れる
夕べにも
片時の間もなく
忘れることのできないあなたです