徒然草237段 柳筥に据うる物:原文

丹波に出雲 徒然草
第六部
237段
柳筥
御随身近友

 
 柳筥に据うる物は、縦様、横様、物によるべきにや。
「巻物などは、縦様に置きて、木の間より紙ひねりを通して、結ひ付く。硯も、縦様に置きたるを、筆転ばず、よし」と、三条右大臣殿仰せられき。
 

 勘解由小路の家の能書の人々は、仮にも縦様に置かるる事なし。
必ず、横様に据ゑられ侍りき。