枕草子270段 人のうへいふを腹立つ人こそ

よろづの 枕草子
下巻中
270段
人のうへ
人の顔に

(旧)大系:270段
新大系:251段、新編全集:252段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず混乱を招くので、以後は最も索引性に優れ三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:ナシ
 


 
 人のうへいふを腹立つ人こそいとわりなけれ。いかでかいはではあらむ。わが身をばさしおきて、さばかりもどかしくいはまほしきものやはある。されど、けしからぬやうにもあり、また、おのづから聞きつけて、うらみもぞする、あいなし。
 

 また、思ひはなつまじきあたりは、いとほしなど思ひ解けば、念じていはぬをや。さだになくば、うちいで、わらひもしつべし。
 
 

よろづの 枕草子
下巻中
270段
人のうへ
人の顔に