枕草子272段 古代の人の指貫着たるこそ

人の顔に 枕草子
下巻中
272段
古代の人の
十月十よ日

(旧)大系:272段
新大系:253段、新編全集:254段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず混乱を招くので、以後は最も索引性に優れ三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:ナシ
 


 
 古代の人の指貫着たるこそ、いとたいだいしけれ。前にひき当てて、まづ裾をみな籠め入れて、腰はうち捨てて、衣の前をととのへはてて、腰をおよびてとるほどに、うしろざまに手をさしやりて、猿の手結はれたるやうにほどき立てるは、とみのことにいでたつべくも見えざめり。
 
 

人の顔に 枕草子
下巻中
272段
古代の人の
十月十よ日