枕草子111段 関は

いひにくき 枕草子
上巻下
111段
関は
森は

(旧)大系:111段
新大系:107段、新編全集:107段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず、混乱を招くので、三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:114段
 


 
 関は 逢坂。須磨の関。鈴鹿の関。岫田の関。白河の関。衣の関。ただごえの関は、はばかりの関と、たとしへなくこそおぼゆれ。横はしりの関。清見が関。みるめの関。よしよしの関こそ、いかに思ひ返したるならむと、いと知らまほしけれ。それを勿来の関といふにやあらむ。逢坂などを、さて思ひ返したらむは、わびしかりなむかし。