枕草子178段 女のひとりすむ所は

六位の蔵人 枕草子
中巻中
178段
女のひとり
宮仕人の里

(旧)大系:178段
新大系:171段、新編全集:171段
(以上全て三巻本系列本。しかし後二本の構成は2/3が一致せず混乱を招くので、以後、三巻本理論の根本たる『(旧)大系』に準拠すべきと思う)
(旧)全集=能因本:177段
(女の一人住む家などは)
 


 
 女のひとりすむ所は、いたくあばれて築土などもまたからず、池などある所も水草ゐ、庭なども蓬にしげりなどこそせねども、ところどころすなごの中より青き草うち見え、さびしげなるこそあはれなれ。
 ものかしこげに、なだらかに修理して、門いたく固め、きはぎはしきは、いとうたてこそおぼゆれ。
 
 

六位の蔵人 枕草子
中巻中
178段
女のひとり
宮仕人の里