徒然草181段 降れ降れ粉雪:原文

さぎちやう 徒然草
第五部
181段
降れ降れ粉雪
四条大納言

 
 「『降れ降れ粉雪、たんばの粉雪』といふ事、米つき篩ひたるに似たれば、粉雪と言ふ。『たまれ粉雪』といふべきを、誤りて『たんばの』とは言ふなり。『垣や木の股に』と謡ふべし」と、ある物知り申しき。
 

 昔より言ひける事にや。
鳥羽院幼くおはしまして、雪の降るにかく仰せされける由、讃岐典侍が日記に書きたり。