論語 1-4 曾子曰吾日三省吾身:原文対訳と解説

巧言令色 論語
学而第一
4
三省
千乘之國
原文 書き下し 現代語訳
(下村湖人)
曾子 曾子そうし曰く、  曾そう先生がいわれた。
吾日三省吾身 吾われ日ひに吾が身みを三省さんせいす、 「私は、毎日、つぎの三つのことについて反省することにしている。
爲人謀 人の為ために謀はかりて その第一は、人のために謀つてやるのに
而不忠乎 忠ちうならざるか、 全力をつくさなかつたのではないか、ということであり、
與朋友交 朋友ほういうと交まじわりて その第二は、友人との交りにおいて
而不信乎 信しんならざるか、 信義にそむくことはなかつたか、ということであり、
傳不習乎 伝でん、習ならはざるか。 そしてその第三は、自分でまだ実践出来るほど身についていないことを
人に伝えているのではないか、ということである。」

 

巧言令色 論語
学而第一
4
三省
千乘之國

下村湖人による注釈

 

曾子
曾子=孔子の門人、姓は曾(そう)、名は参(しん)、あざ名は子輿(しよ)。十六歳で孔子の門に入り、門人中の最年少者であつたが、篤学篤行の人として深く孔子に愛せられた。孔子の思想を後世に伝えた人としては門人中随一である。
論語の中で、特に有子と曾子とが「子」という尊称を附して呼ばれているところから、その編述がこの二人に師事した人たちによつて行われたのではないか、という説がある。
伝不習乎
原文の最後の句「伝不習乎」を「伝えられて習わざるか」と読み、「教わつたことを復習実践しない」という意味に解する説もある。