奥の細道 尾花沢:原文対照

尿前の関 奥の細道
尾花沢
立石寺


『おくのほそ道』
素龍清書原本 校訂
『新釈奥の細道』
   尾花沢にて清風といふ者を尋ぬ。 尾花澤にて淸風と云者をたづぬ
  かれは富める者なれども、志卑しからず。 かれは富める者なれ共志いやしからず
  都にもをりをり通ひて、 都にも數〳〵かよひて
  さすがに旅の情をも知りたれば、 さすがにたびの情をも知りたれは
  日ごろとどめて、長途のいたはり、 日頃とゝめて長途のいたはり
  さまざまにもてなし侍る。 さま〴〵にもてなし侍る
     

27
 涼しさを わが宿にして ねまるなり  凉しさを 我宿にして ねまる也
     

28
 這ひ出でよ 飼屋が下の 蟇の声  這出よ かひやか下の 蟾の聲
     

29
 眉掃きを 俤にして 紅粉の花  まゆはきを 俤にして べにの花
     

30
 蚕飼ひする 人は古代の 姿かな  曾良  蠶飼する 人は古代の 姿かな  曾良
尿前の関 奥の細道
尾花沢
立石寺