古事記 夷振之片下の歌~原文対訳

天田振の歌 古事記
下巻④
19代 允恭天皇
軽太子兄妹物語
夷振之片下の歌
衣通王の歌
原文 書き下し
(武田祐吉)
現代語訳
(武田祐吉)
又歌曰。 また歌よみしたまひしく、 また歌われた歌は、
     
意富岐美袁 大君を わたしを
斯麻爾波夫良婆 島に放はぶらば、 島に放逐ほうちくしたら
布那阿麻理 船ふな餘り 船の片隅に乘つて
伊賀幣理許牟叙 い歸がへりこむぞ。 歸つて來よう。
和賀多多彌由米 吾わが疊ゆめ。 わたしの座席は
しつかりと護つていてくれ。
許登袁許曾 言をこそ 言葉でこそ
多多美登伊波米 疊と言はめ。 座席とはいうのだが、
和賀都麻波由米 吾が妻はゆめ。 わたしの妻を
護つていてくれというのだ。
     
此歌者。  この歌は、  この歌は
夷振之
片下也。
夷振ひなぶりの
片下かたおろしなり。
夷振ひなぶりの
片下かたおろしです。
天田振の歌 古事記
下巻④
19代 允恭天皇
軽太子兄妹物語
夷振之片下の歌
衣通王の歌