論語17-10 子謂伯魚曰 女為周南召南矣乎:原文対訳

論語
陽貨第十七
10
周南召南
礼云礼云
原文 書き下し
漢文叢書
現代語訳
下村湖人+【独自】
要検討
子し、  先師が

伯魚曰
伯魚はくぎよに
謂いひて曰く、
子息の伯魚に
いわれた。
女なんぢ、 「お前は

周南
召南
矣乎
周南しうなん・
召南せうなんを
為をさめたるか、
周南しゅうなん・
召南しょうなんの詩を
研究して見たのか。
人而
不爲
周南
召南
人ひとにして
周南しうなん・
召南せうなんを
為をさめずんば、
この二つの詩が
わからなければ、
人間も
其猶正
牆面而
立也與
其それ猶なほ正たゞしく
牆かきに面めんして
立たつが如ごとくなるか。
【それはあたかもまさに
どこを見てるかもわからず
垣根に向かって
立っているようなものではないか。
    はショウと読み、正に掛け、
正面(詩から南面)・正対に対し牆面
としたおかしさと解する。独自】
    ×土塀に鼻つきつけて
立っているようなものだがな。」

 
【本章は16-13で息子に詩を学べとした内容を受け、その会話を具体化したもの。

 最後の段も、詩の心である対句的に理解しなければならない。しかし歴代学者達には詩の心得がないために、それを読解できていない。正しくという読みが正しくないことを表しているという皮肉。古典は常にこういう軽妙さ・頓知を念頭におかなければならない】
 

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陽貨第十七
10
周南召南
礼云礼云