原文 |
書き下し 漢文叢書 |
現代語訳 下村湖人+【独自】 要検討 |
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子 | 子し、 | 先師が |
謂 伯魚曰 |
伯魚はくぎよに 謂いひて曰く、 |
子息の伯魚に いわれた。 |
女 | 女なんぢ、 | 「お前は |
爲 周南 召南 矣乎 |
周南しうなん・ 召南せうなんを 為をさめたるか、 |
周南しゅうなん・ 召南しょうなんの詩を 研究して見たのか。 |
人而 不爲 周南 召南 |
人ひとにして 周南しうなん・ 召南せうなんを 為をさめずんば、 |
この二つの詩が わからなければ、 人間も |
其猶正 牆面而 立也與 |
其それ猶なほ正たゞしく 牆かきに面めんして 立たつが如ごとくなるか。 |
【それはあたかもまさに (どこを見てるかもわからず) 垣根に向かって 立っているようなものではないか。 |
※牆はショウと読み、正に掛け、 正面(詩から南面)・正対に対し牆面 としたおかしさと解する。独自】 |
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×土塀に鼻つきつけて 立っているようなものだがな。」 |
【本章は16-13で息子に詩を学べとした内容を受け、その会話を具体化したもの。
最後の段も、詩の心である対句的に理解しなければならない。しかし歴代学者達には詩の心得がないために、それを読解できていない。正しくという読みが正しくないことを表しているという皮肉。古典は常にこういう軽妙さ・頓知を念頭におかなければならない】