原文 |
書き下し 漢文叢書 |
現代語訳 下村湖人+【独自】 要検討 |
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仲弓 問仁 |
仲弓ちうきう 仁じんを問とふ。 |
仲弓が 仁についてたずねた。 |
子曰 | 子曰く、 | 先師はこたえられた。 |
出門 如見 大賓 |
門もんを出いでては 大賓たいひんを 見みるが如ごとくし、 |
「門を出て社会の人と交る時には、 地位の高下を問わず、貴賓に まみえるように【し】 |
×敬虔であるがいい。 | ||
使民 如承 大祭 |
民たみを使つかふには 大祭たいさいを 承うくるが如ごとくす、 |
人民に義務を課する場合には、 天地宋廟の神々を 祭る時のように【し】 |
×恐懼するがいい。 | ||
己所不欲 勿施於人 |
己おのれの欲ほつせざる所ところをば、 人ひとに施ほどこす勿【なし】 |
自分がされたくないことを 人にすることがない。 |
×なかれ、 |
※本章は仁について問われた答えだから、 なかれという命令形は 後日伝聞として流用された形で本来ではなく、 それを前提にした原文訳は本末転倒で不適当。独自 |
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國譯漢文大成/ 己おのれの欲ほつせざる所ところ、 人ひとに施ほどこす勿なかれ |
×自分が人にされたくないことを、 人に対して行ってはならない。 もしそれだけのことが出来たら、 平和を楽しむことが出来るだろう。 |
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在邦 無怨 |
邦くにに在ありても 怨うらみ無なく、 |
国に仕えても 【人それぞれの道ある理解の下、恨み言なく】 |
在家 無怨 |
家いへに在ありても 怨うらみ無なし。 |
家にあっても、 【家族に対する恨み言を言わない。 |
それが私の言う仁、即ち人道への尽力である】 | ||
仲弓曰 | 仲弓ちうきう曰いはく、 | 仲弓がいった。 |
雍 雖不敏 |
雍よう 不敏ふびんと雖いへども、 |
「【私は】 まことにいたらぬ者でございますが、 |
請 事 斯語矣 |
請こふ 斯この語ごを 事こととせん。 |
お示しのことを 一生の守り【大事】にいたしたいと存じます。」 |