論語6-4 子謂仲弓曰犁牛之子:原文対訳・解説

論語
雍也第六
4
犁牛之子
日月至
原文 書き下し
漢文叢書
現代語訳
下村湖人
要検討


仲弓
子し
仲弓ちうきうを
謂いふ。
 先師は
仲弓のことについて、
こんなことをいわれた。
曰く、  
犁牛之子 犁牛りぎうの子も、 「まだら牛の生んだ子でも、

且角
騂あかくして
且かつ角つのあらば、
毛が赤くて、
角が見事でさえあれば、
    ×神前に供えられる資格は十分だ。
雖欲
勿用
用もちふる勿なからんと
欲ほつすと雖いへども、
人がそれを用いまいと
【しようと】しても、
山川其
舍諸
山川さんせん其それ
諸これを舍すてんや。
山川の神々が
決して捨ててはおかれないだろう。」
論語
雍也第六
4
犁牛之子
日月至

下村湖人による注釈

 
○ 仲弓=名は雍(よう)(一二〇章【6-1】參照)

○ まだら牛は駄牛とされ、祭典のいけにえには用いられなかつた。全身赤毛で、角の端正なのだけが選ばれたのである。

○ 仲弓の父がつまらぬ人物であつたため。仲弓自身までが悪評をうけていたので、孔子にこの言があつたのである。

○ 孔子が仲弓を励ますために直接彼に対していつた言葉だという説と、間接に仲弓をほめるためにいつた言葉だという説とがある。本書では後者に従つたが、いずれでもいいであろう。