論語10-18 色斯挙矣翔而後集:原文対訳

論語
郷党第十
18
山梁雌雉
礼楽
原文 書き下し
漢文叢書
現代語訳
下村湖人
要検討
     孔子はある日
門人たちと山間に杖をひいていた。
橋の近くまで行くと、
色斯
擧矣
色しきすれば
斯こゝに挙あがる。
雉が人の気配におどろいて
空にまい立つたが、
翔而
後集
翔しやうして【掛詞的に解す】
而しかる後のちに集あつまる。
やがて安全な時と所を見出して再び舞いおりた。
     
曰く、 孔子はこれを見て、
山梁雌雉 山梁さんりやうの雌雉しち、 人もあの鳥のように
時哉時哉 時ときなるかな時なるかなと。 機に臨み変に応じて自然に「時のよろしき」を得た行動に出たいものだ、と嘆じた。
子路共之 子路しろ之これを共とちへんとす。 子路は時の意味を全くちがつた意味に解し、師のために雉を捕獲しようとした。
三嗅 三嗅さんきうし、 雉は、しかし、子路の自由にはならなかつた。
而作 而しかして作たつ。 それはすでにいずくともなく飛び去つていたのである。
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