論語7-2 子曰默而識之學而不厭:原文対訳・解説

信而好古 論語
述而第七
2
学而不厭
是吾憂也
原文 書き下し
漢文叢書
現代語訳
【独自】
子曰 子曰く、 【孔子曰く、
默而
識之
默もくして
之れを識しるし、
黙して
識別し(よく考え)
學而
不厭
学まなんで
厭いとはず、
学んで
面倒がらず
誨人
不倦
人を誨をしへて
倦うまず。
人に教えて
うんざりしない。
何有
於我哉
何なにか
我われに有あらん【や】。
他に何が
私にあるというのか】
    以下、下村湖人
    △先師がいわれた。
「沈默のうちに心に銘記する、
×あくことなく学ぶ、
そして倦むことなく人を導く。
それだけは私に出来る。
そして私に出来るのは、ただそれだけだ。」
信而好古 論語
述而第七
2
学而不厭
是吾憂也

 
【孔子の自他の評価に「多能」という章(9-6)があり、私にできるのはそれだけだという解釈は論語の文脈に反する。最後の後は言うなれば「私の他のことは大したことではない」と解する(9-6:吾われ少わかくして賤せん、故ゆゑに鄙事ひじに多能たのうなり)。反語の解釈には理解が問われる】