原文 |
書き下し 漢文叢書 |
現代語訳 【独自】 |
---|---|---|
子曰 | 子曰く、 | 【孔子曰く、 |
默而 識之 |
默もくして 之れを識しるし、 |
黙して 識別し(よく考え) |
學而 不厭 |
学まなんで 厭いとはず、 |
学んで 面倒がらず |
誨人 不倦 |
人を誨をしへて 倦うまず。 |
人に教えて うんざりしない。 |
何有 於我哉 |
何なにか 我われに有あらん【や】。 |
他に何が 私にあるというのか】 |
以下、下村湖人訳 | ||
△先師がいわれた。 「沈默のうちに心に銘記する、 ×あくことなく学ぶ、 そして倦むことなく人を導く。 それだけは私に出来る。 そして私に出来るのは、ただそれだけだ。」 |
【孔子の自他の評価に「多能」という章(9-6)があり、私にできるのはそれだけだという解釈は論語の文脈に反する。最後の後は言うなれば「私の他のことは大したことではない」と解する(9-6:吾われ少わかくして賤せん、故ゆゑに鄙事ひじに多能たのうなり)。反語の解釈には理解が問われる】