原文 |
書き下し 漢文叢書 |
現代語訳 下村湖人+【独自】 要検討 |
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衞靈公 問陳於孔子 |
衞ゑいの霊公れいこう 陳ちんを孔子こうしに問とふ。 |
衛の霊公が 戦陣のことについて先師に質問した。 |
孔子對曰 | 孔子こうし対こたへて曰く、 | 先師がこたえていわれた。 |
俎豆之事 | 俎豆そとうの事ことは | 「私は祭具の使い方については |
則嘗聞之矣 | 則すなはち嘗かつて之これを聞きけり、 | 学んだことがありますが、 |
軍旅之事 | 軍旅ぐんりよの事ことは | 軍隊の使い方については |
未之學也 | 未いまだ之これを学まなばざるなりと。 | 学んだことがございません。」 |
明日遂行 | 明日みやうにち遂つひに行さる。 | 翌日先師はついに衛を去られた。 |
在陳絕糧 | 陳ちんに在ありて糧りやうを絶たつ。 | 陳ちんにおいでの時に、食糧攻めにあわれた。 |
從者病 | 從者じゆうしや病やみ、 | お伴の門人たちは、すっかり弱りきって、 |
莫能興 | 能よく興たつ莫なし。 | 起きあがることも出来ないほどであった。 |
子路 慍見曰 |
子路しろ 慍うらみ見みて曰いはく、 |
子路が 憤慨して先師にいった。 |
君子亦 有窮乎 |
君子くんしも亦また 窮きうする有あるか。 |
「君子にも 窮するということがありましょうか。」 |
子曰 | 子曰く、 | すると、先師がいわれた。 |
君子 固窮 |
君子くんし 固もとより窮きうす、 |
【君子は もとより窮している。】 |
×「君子もむろん窮することがある。 しかし、窮しても取りみださない。 |
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小人窮 斯濫矣 |
小人せうじん窮きうすれば 斯こゝに濫らんす。 |
小人は窮すると、 すぐに取りみだすのだ。」 |