原文 | 書き下し |
現代語訳 (下村湖人) |
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或謂 孔子曰 |
或あるひと 孔子に謂いつて曰く、 |
ある人が 先師にたずねていった。 |
子奚 不爲政 |
子し奚なんぞ 政まつりごとを為なさざると。 |
「先生はなぜ 【政(まつりごと)をしないのですか】」 |
△政治にお携りになりませんか。 | ||
子曰 | 子し曰く、 | 先師はこたえられた。 |
《書》 云 |
書しよに 云いふ、 |
「書経に、 孝についてかようにいってある。 |
※下村注は書経を単に教典の一つとするが、 孔子の編集とされる国の政治根幹の五経の一というのがミソ。 |
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『孝乎 惟孝 友於 兄弟』 |
孝かうか 惟これ孝かう、 兄弟けいていに 友いうに、 |
『親に 孝行であり、 兄弟に 親密であり】 |
施於 有政 |
有政いうせいに 施しくと、 |
それがおのずから 政治に及んでいる』と。 |
是亦 爲政 |
是これ亦また 政を為なすなり、 |
【こうして家政もまた 政をなすものである】 |
△これで見ると、 家庭生活を美しくするのもまた政治だ。 |
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奚其 爲爲政 |
奚なんぞ其れ 政を為なすを為せん。 |
【どうしてそれが、 政をなすことではないのか】 |
×しいて国政の衝にあたる必要もあるまい。」 |