原文 | 書き下し |
現代語訳 【独自】 |
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子曰 | 子曰く、 | 孔子曰く、 |
君子 周而 不比 |
君子くんしは 周しうして 比ひせず、 |
君子(聖人)は めぐって くみさず。 |
小人 比而 不周 |
小人せうじんは 比して 周せず。 |
小人は くみして めぐらず。 |
×下村湖人訳(特に後段が不適=語の理解が不適) 先師がいわれた。「 君子の交りは普遍的であつて派閥を作らない。 小人の交りは派閥を作って普遍的でない。」 |
本章は一般に、以下のように解されている。
「周」はあまねく、普遍、「比」はべたべたくっつくの意。
君子は公平に広く人と親しむが、小人はかたよった小さな党派をつくるものである。
しかしまず字義の理解として、私見の訳・語の理解と通説の定義と訳出のどちらが無理なく自然か、各々判断されたい。
論語の手短な詩歌的・抽象的・文学的表現は韻律・響きを重んじたもので、一般的な説明調の表面的文章・文体とは異なる。その理解はピンポイントの孔子の精神・精髄の理解にかかわり、それを説明しようとするあまり、それ自体不自然な文体で拡張解釈・限定解釈し定義しているほど、本意からずれている。