論語2-14 子曰君子周而不比:原文対訳・解説

先行其言 論語
為政第二
14
周而不比
学而不思
原文 書き下し 現代語訳
【独自】
子曰 子曰く、 孔子曰く、
君子
周而
不比
君子くんしは
周しうして
比ひせず、
君子(聖人)は
めぐって
くみさず。
小人
比而
不周
小人せうじんは
比して
周せず。
小人は
くみして
めぐらず。
     
    ×下村湖人訳(特に後段が不適=語の理解が不適)
先師がいわれた。「
君子の交りは普遍的であつて派閥を作らない。
小人の交りは派閥を作って普遍的でない。」

 

先行其言 論語
為政第二
14
周而不比
学而不思

解説

 
 

 本章は一般に、以下のように解されている。

「周」はあまねく、普遍、「比」はべたべたくっつくの意。
君子は公平に広く人と親しむが、小人はかたよった小さな党派をつくるものである。

 しかしまず字義の理解として、私見の訳・語の理解と通説の定義と訳出のどちらが無理なく自然か、各々判断されたい。

 論語の手短な詩歌的・抽象的・文学的表現は韻律・響きを重んじたもので、一般的な説明調の表面的文章・文体とは異なる。その理解はピンポイントの孔子の精神・精髄の理解にかかわり、それを説明しようとするあまり、それ自体不自然な文体で拡張解釈・限定解釈し定義しているほど、本意からずれている。