論語14-8 子曰 愛之 能勿労乎:原文対訳

君子而不仁 論語
憲問第十四
8
愛之
為命討論
原文 書き下し
漢文叢書
現代語訳
下村湖人+【独自】
要検討
子曰 子曰く、  先師がいわれた。
愛之

勿勞
之これを愛あいす、
能よく
労らうせしむる勿なからん
や。
「人を愛するからには、
その人を【よく
労わらずに】×鍛えないでいられよう
か。
忠焉

勿誨
忠ちうす、
能よく
誨をしふる勿なからん
や。
人に忠実であるからには、
その人【によく
忠告せずに】×を善導しないでいられよう
か。」

 
【本章の理解には読者の教育観が投影されるようだが、「愛」の本義を「鍛える」と見るのは王道から外れた局所的見解。それでスパルタ式という。それが介入家父長的教育者の鬱憤晴らすメントでスポイル(相手を囲い込み依存させてだめにする行為)でないという根拠は主観以外なく、古来良識を重んじる先進的立場から悪習とされてきた。

 愛は守り支えること。見守ること。愛はつむいで(語り合って)育むもの、優しく労りねぎらうこと。そのために自分の至らなさがないよう尽くすこと。この尽くすという意味で愛(人)と仁(人類。仁=人々)は表裏一体である】
 

君子而不仁 論語
憲問第十四
8
愛之
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