原文 |
書き下し 漢文叢書 |
現代語訳 下村湖人 要検討 |
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齊人 歸女樂 |
斉人せいひと 女楽じよがくを帰おくる。 |
斉が、 魯の君臣を誘惑してその政治をみだすために、 美人の歌舞団をおくった。 |
季桓子 受之 |
季桓子きくわんし 之これを受うけて、 |
魯の権臣季桓子きかんしが 喜んでこれをうけ、 |
三日不朝 | 三日朝てうせず。 |
君臣共にこれに見ほれて、 三日間朝政を廃するにいたったので、 |
孔子行 | 孔子こうし行さる。 | 先師はついに職を辞して魯を去られた。 |
○ 本章は意味が通ずるだけに補足して訳した。
○ 孔子は当時魯の司冦[#「司冦」は底本では「司寇」](司法長官)の職にあり、悪大夫小正卯しょうせいぼうを誅して綱紀を粛正し、国がよく治つていたが、斉は魯の強大になることをおそれて、女楽をおくり誘惑したのである。定公十四年孔子五十六歳の時のことであつた。