論語18-10 周公 謂魯公曰 君子不施其親:原文対訳

入於海 論語
微子第十八
10
周公謂魯公
周有八士
原文 書き下し
漢文叢書
現代語訳
下村湖人
要検討
周公

魯公曰
周公しうこう
魯公ろこうに
謂いひて曰いはく、
 周公が
魯公に
いわれた。
君子
不施
其親
君子くんしは
其親そのしんを
施かへず、
「君主たるものは
親族を
見捨てるものではない。
不使
大臣
怨乎
不以
大臣だいじんをして
以もちひざるを
怨うらましめず、
大臣をして
信任のうすきを
かこたせてはならぬ。
故舊
無大故
故旧こきうに
大故たいこ無なければ、
古くからの臣下は、
重大な理由がなければ

不棄也
則すなはち
棄すてざるなり、
棄てないがいい。
無求
備於
一人
備そなはるを
一人いちにんに
求もとむる無なかれ。
一人の人に
何もかも備わるのを
求めてはならぬ。」
入於海 論語
微子第十八
10
周公謂魯公
周有八士

  

下村湖人による注釈

 
○ 本章にも原文に「子曰」がないが、全体が孔子の言葉であろう。

○ 周公=參照二六九章【11-16】。

○ 魯公=周公の子伯禽、魯公に封ぜられた人。

○ この言葉は伯禽が封をうけてはじめて魯に入国した時に与えられた訓戒である。