原文 |
書き下し 漢文叢書 |
現代語訳 下村湖人 要検討 |
---|---|---|
孟氏 使陽膚 爲士師 |
孟氏まうし 陽膚やうふをして 士師しし為たらしめ |
孟氏もうしが 陽膚ようふを 司法官に任用した。 |
問於曾子 | 曾子そうしに問とふ。 |
陽膚ようふは 曾先生に司法官としての心得をたずねた。 |
曾子曰 | 曾子そうし曰く、 | 曾先生はいわれた。 |
上 失其道 |
上かみ 其道そのみちを失うしなひ、 |
「政道がみだれ、 |
民 散久矣 |
民たみ 散さんずること久ひさし。 |
民心が 離散してすでに久しいものだ。 |
如得其情 | 如もし其情そのじやうを得えば、 | だから人民の罪状をつかんでも、 |
則 哀矜而 勿喜 |
則すなはち 哀矜あいきようして 喜よろこぶ勿れ。 |
なるだけあわれみを、かけてやるがいい。 罪状をつかんだのを手柄に思って 喜ぶようなことがあってはならないのだ。」 |
○ 孟氏=魯の大夫、孟孫氏。
○ 陽膚=曾子の門人。