原文 |
書き下し 漢文叢書 |
現代語訳 下村湖人+【独自】 要検討 |
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子曰 | 子曰く、 | 先師がいわれた。 |
道 不行 |
道みち 行おこなわれず、 |
「私の説く治国の道も、 到底行われそうにないし、 |
乘桴 浮於海 |
桴いかだに乗のりて 海うみに浮うかばん、 |
そろそろ桴いかだにでも乗って 海外に出ようと思うが、 |
【※道がない死出の寓意。後述】 いよいよそうなった場合、 |
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從我者 其由與 |
我われに從したがふ者ものは 其それ由いうなるか。 |
私について来てくれるのは、 由ゆうかな。」 |
○由=子路の名。 | ||
子路 聞之 喜 |
子路しろ 之これを聞ききて 喜よろこぶ。 |
子路は それをきいて 大喜びであった。 |
子曰 | 子曰く、 | すると先師がまたいわれた。 |
由也 | 由いうや | 「ところで、由ゆうは、 |
好勇 過我 |
勇ゆうを好このむこと 我われに過すぎたり、 |
勇気を愛する点では 私以上だが、 |
無 所取材 |
材ざいを取とる所ところ なしと。 |
【人材を取る(引き立てる)ことが ないというのは、どういう理由か】 |
※次章で由は軍事を司れても 仁は不知という孔子発言参照】 |
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×分別が足りないので、 いささか心細いね。」 |
○ 本章の孔子の言葉は、道の行われないのを歎き、冗談まじりに海外旅行のことなどいいながら、子路の急所をついたところに妙味がある。
【しかし海で桴(いかだ)で旅する事などありえないから、それが冗談でも海外旅行を言った冗談ではありえない。そもそも紀元前の時代、どこの海外にいかだで旅行に行こうというのか。今の時代でも自殺行為。
これは世の中に道がないから海に出よう(孔子の言う道は人道・ヒューマニティーの道で物理的な道ではないが、それに引っ掛けて言っている)、もうこんな世は捨てて、戻らない死出の旅に出ようかとも思うが、ついてくるか、という趣旨の発言】