論語5-23 子曰伯夷叔齊:原文対訳・解説

不知 論語
公冶長第五
23
伯夷叔斉
微生高
原文 書き下し
漢文叢書
現代語訳
下村湖人
要検討
子曰 子曰く、  先師がいわれた。
伯夷
叔齊
伯夷はくい
叔斉しゆくせいは、
「伯夷はくい・
叔斉しゅくせいは
不念
舊惡
旧悪きうあくを
念おもはず、
人の旧悪を
永く根にもつことがなかった。
怨是
用希
怨うらみ是ここを
用もつて希まれなり。
だから人に怨まれることが
ほとんどなかったのだ。」
不知 論語
公冶長第五
23
伯夷叔斉
微生高

下村湖人による注釈

 

伯夷叔斉
殷の時代の末頃、孤竹君(こちくくん)という人の子に生れた兄弟。伯夷は兄、叔斉は弟。
二人とも潔癖なほど不正不義をにくんだ人だが、悪をにくんで人をにくまなかつた。家庭的にも、時代的にも常に不遇で、色々の物語が伝えられているが、父の死後、二人がその位を譲りあつたこと、並に、周の武王が殷(いん)を亡ぼしたとき、その祿を食むのを恥じて、首陽(しゆよう)山にかくれ、わらびをとつて食つていたが、ついに餓死した、という話は、とりわけ有名である。