論語5-10 宰予晝寢:原文対訳・解説

一以知十 論語
公冶長第五
10
宰予昼寝
剛者
原文 書き下し
漢文叢書
現代語訳
下村湖人+【独自】
要検討
宰予
晝寢
宰予さいよ
晝ひる寝しんす。
 宰予さいよ(宰我)が
昼寝をしていた。
子曰 子曰く、 すると先師がいわれた。
朽木
不可
雕也
朽木きうぼくは
雕ほる
可べからざるなり、
「くさった木には
彫刻は
出来ない。
糞土之牆 糞土ふんどの牆かきは ぼろ土の塀は
不可
杇也
杇ぬる
可べからざるなり、
上塗を
してもだめだ。
於予與
何誅
予よに於おいて
何なんぞ誅せめん。
お前のようななまけ者を
責めても仕方がない。」
     
子曰 子曰く、  それから、しばらくしてまたいわれた。
始吾
於人也
始はじめ吾われ
人ひとに於おけるや、
「これまで私は、
誰でもめいめい

其言而
其言そのげんを
聴ききて、
口でいう通りのことを

其行
其行おこなひを
信しんぜり、
実行しているものだとばかり
信じて来たのだ。
     

吾於人也
今いま
吾われ人ひとに於おいてや、
【今、
私は人を信じるかどうかは、
聽其言而
觀其行
其言げんを聴ききて、
其行おこなひを観みる、
その言葉を聞くだけでなく
その行いを見て決める。
(行いを見るまでは何も信じない)
於予與
改是
予よに於おいてか
是れを改あらたむ。
もうあらかじめ、
こう改めておこう】
    ×しかしこれからは、もうそうは信じていられない。
いうことと行うこととが一致しているかどうか、
それをはっきりつきとめないと、
安心が出来なくなって来た。
お前のような人間もいるのだから。」

 

※前章の「一以知十」から、公冶長の話(獄中の公冶長と娘が結婚しても良いとした話)と対比させて見たい。つまり普段の公冶長の行いを観て決めたと見る。

 

一以知十 論語
公冶長第五
10
宰予昼寝
剛者