論語11-7 顔淵死 顏路請:原文対訳

季康子問 論語
先進第十一
7
顏淵死顏路請
顏淵死子曰
原文 書き下し
漢文叢書
現代語訳
下村湖人+【独自】
要検討
顏淵死 顏淵がんゑん死しす。  顔渕が死んだ。
顏路

子之車以
爲之槨
顏路がんろ
子しの車くるま以もつて
之これが槨くわくを為つくらんと
請こへり。
【父の顔路がんろは
先師の車で
これを槨(棺の外箱)となすこと
を願った。】
    ×父の顔路がんろは彼のために
外棺そとがんを造ってやりたいと思ったが、
貧しくて意に任せなかった。
そこで先師に願った。
「先生のお車をいただけますれば、
それを金にかえて、
外棺を作ってやりたいと存じますが……」
子曰 子曰く、  すると先師はいわれた。

不才
才さいも
不才ふさいも、
「才能があろうと
なかろうと、
亦各

其子也
亦また各おのおの
其子そのこと
言いふ
子の可愛ゆさは同じだ。
鯉也死 鯉りや死しせしとき、 私も子供の鯉りが死んだ時には、
有棺而
無槨
棺くわん有ありて
槨くわく無なかりき
【棺はあったが、
槨はなかった。
吾不徒行
以爲之槨
吾われ徒行とかうして
以もつて之これが槨くわくを
為つくらざりしは、
私が(車に乗らず)歩くことにして
車を槨にすることを
しなかったのは】
    ×せめて外棺ぐらい作ってやりたい気がしないでもなかった。
しかしついに内棺だけですますことにしたのだ。
私がその時、徒歩する覚悟にさえなれば、
車を売って外棺を作ってやることも出来ただろう。
しかし、私が敢てそれをしなかったのは、



大夫之後
不可
徒行也
吾われ
大夫たいふの後しりへに
從したがひて、
徒行とかうす
可べからざるを
以もつてなり
私も
大夫の末席に
つらなっているので、
職掌から、徒歩するわけに行かなかった
からだ。」

 
【※本章は子目線で見れば、車に乗るのは楽だから・車が惜しいからと見る余地もあるが、孔子は席が正しくなければ座らなかった(10-9:席不正不坐)章と対で理解する必要がある。】
 

季康子問 論語
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7
顏淵死顏路請
顏淵死子曰