紫式部集123 経ればかく:原文対訳・逐語分析

122恋ひわびて 紫式部集
第十一部
終の予感

123経ればかく
異本113
124暮れぬ間の
原文
実践女子大本
(定家本系筆頭)
現代語訳
(渋谷栄一)
注釈
【渋谷栄一】
返し、  返歌、 【返し】-一二二番歌に対する返歌。作者。
     
経ればかく 生きているとこのように 【経れば】-「降れば」を掛ける。
憂さのみまさる 辛さばかりが増える  
世を知らで 世の中なのを知らずに  
荒れたる庭に 荒れたわが庭に  
積もる初雪 積もる初雪よ  
     

参考異本=後世の二次資料

*「おもふこと侍りけるころ、はつゆきのふり侍りけるに  紫式部
ふればかくうさのみまさる世をしらであれたる庭につもるはつ雪」(寿本「新古今集」冬 六六一)
*「ふればかくうさのみまさるよをしらであれたる庭につもるはつゆき」(書陵部本「定家十体」五四)