原文 (実践女子大本) |
現代語訳 (渋谷栄一) |
注釈 【渋谷栄一】 |
---|---|---|
初めて内裏わたりを見るにも、 | 初めて宮仕えして宮中のあたりを見るにつけても、 | 【初めて内裏わたりを見るにも】-紫式部が中宮彰子のもとに出仕したのは、寛弘二年(一〇〇五)十二月二十九日のこと。 |
もののあはれなれば、 | しみじみと感慨深く思われるので、 | |
身の憂さは | 身の嫌なことは、 | |
心のうちに | 心の中では | |
慕ひきて | 宮中を慕ってきたが | |
いま九重ぞ | いま宮中を見て、幾重にも | |
思ひ乱るる | 物思いに心が乱れることよ | |