原文 実践女子大本 (定家本系筆頭) |
現代語訳 (渋谷栄一) |
注釈 【渋谷栄一】 |
---|---|---|
返し、 | 返歌、 | 【返し】-九二番歌への返歌。 |
さして行く | 目指して行く | |
山の端も | 山の端も | |
みなかき曇り | みなすっかり曇って | 【みなかき曇り】-あなたの機嫌が悪いから、と暗喩。 |
心も空に | 心も上の空に消えてしまった | |
消えし月影 | 月光〈月の面影〉です | |
「返し よみ人しらず
さしてゆく山の端はみなかきくもり心のそらにきえし月かげ」(寿本「新古今集」恋四 一二六三)