第一部 若かりし頃 |
第二部 近江・越前 |
第三部 言い寄る夫 |
第四部 夫の死 |
第五部 転機 |
第六部 初々し出仕 |
第七部 栄花と追憶 |
第八部 月影の人 |
第九部 宮中と女房 |
第十部 天の川の人 |
第十一部 終の予感 |
※項目立ては独自
詳解 定家本 |
和歌 | 人物 |
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90 異81 |
折々に 書くとは見えて ささがにの いかに思へば 絶ゆるなるらむ |
男 |
91 異82 |
霜枯れの 浅茅にまがふ ささがにの いかなる折に 書くと見ゆらむ |
紫式部 |
92 異83 |
入る方は さやかなりける 月影を 上の空にも 待ちし宵かな |
紫式部 |
93 異84 |
さして行く 山の端も みなかき曇り 心も空に 消えし月影 |
人 |
94 異85 |
おほかたの 秋のあはれを 思ひやれ 月に心は あくがれぬとも |
紫式部 |
95 異86 |
垣ほ荒れ 寂しさまさる 常夏に 露置き添はむ 秋までは見じ |
紫式部 |
96 異87 |
花薄葉 わけの露や 何にかく 枯れ行く野辺に 消え止まるらむ |
紫式部 |
97 異88 |
世にふるに なぞ貝沼の いけらじと 思ひぞ沈む 底は知らねど |
紫式部 |
98 異89 |
心ゆく 水のけしきは 今日ぞ見る こや世に経つる 貝沼の池 |
紫式部 |