原文 (実践女子大本) |
現代語訳 (渋谷栄一) |
注釈 【渋谷栄一】 |
---|---|---|
世を常なしなど思ふ人の、 | 世の中を無常だなどと思う人が、 | 【世を常なしなど思ふ人】-作者。第三者的に表現している。 |
幼き人の悩みけるに、 | 幼い子が病気になったので、 | 【幼き人】-作者の娘賢子。実践本「おさなし」は定家の仮名遣い。 |
唐竹といふもの、 | 唐竹というものを、 | |
瓶に挿したる | 花瓶に挿した | |
女ばらの祈りけるを見て、 | 女房が祈ったのを見て、 | |
若竹の | 若竹が | 【若竹】-幼子を譬喩する。 |
生ひゆく末を | 成長してゆく先を | 【生ひゆく】-底本「おいゆく」の「い」は「ひ」の誤りとみて、訂正する。 |
祈るかな | 祈っていることよ | |
この世を憂しと | わたしはこの世を | |
厭ふものから | 厭わしく思っているのに | |