原文 (実践女子大本) |
現代語訳 (渋谷栄一) |
注釈 【渋谷栄一】 |
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と恨みたりける返り事、 | と恨んで寄越した返事に、 | |
かへりては | お帰りになって | 【かへりては】-波が「返りて」とあなたが「帰りて」の掛詞。 |
思ひ知りぬや | わたしの思いがお分かりになったでしょうか、 | |
岩角に | 岩角に | |
浮きて寄りける | 浮わついて打ち寄せた | |
岸のあだ波 | 岸のあだ波のあなたには | |
「いそべに浪はよせずとやみし、と申しつかはしたりける人の返事に 紫式部
返りてはおもひしりぬやいはかどにうきてよりける岸のあだ浪」(尊経閣文庫本「続拾遺集」恋五 一〇三七)