原文 (実践女子大本) |
現代語訳 (渋谷栄一) |
注釈 【渋谷栄一】 |
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暦に「初雪降る」と書きたる日、 | 暦に「初雪降る」と書いてある日、 | |
目に近き | 目近に見える | |
日野岳といふ山の雪、 | 日野岳という山の雪が、 | 【日野岳】-越前国府の東南にある標高約八百米の山。 |
いと深う見やらるれば、 | たいそう深く積もっているように眺められるので、 | |
ここにかく | ここ越前の国府にこのように | |
日野の杉むら | 日野山の杉むらを | |
埋む雪 | 埋める雪は | |
小塩の松に | 都で見た小塩山の松に | 【小塩】-小塩山は山城国の歌枕。標高約六百四十米の山。 |
今日やまがへる | 今日は見まちがえることです | |
「ひのたけといふ山をみて 紫式部
ここにかくひのの杉むらうづむ雪をしほの松にけふやまがへる」(静嘉堂文庫本「夫木和歌抄」雑十一 杉 一三九〇八)