原文 実践女子大本 (定家本系筆頭) |
現代語訳 (渋谷栄一) |
注釈 【渋谷栄一】 |
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桜の花の | 桜の花が | |
祭の日まで散り残りたる、 | 賀茂祭の日まで散り残っていたのを、 | 【祭の日】-賀茂祭(葵祭)の日、寛弘四年(一〇〇七)四月十九日の中の酉の日。 |
使の少将の | 勅使の近衛少将の | 【使の少将】-藤原頼宗、中宮彰子の異母兄妹。明子の子。 |
挿頭に賜ふとて、 | 挿頭に中宮から賜るというので、 | 【挿頭に賜ふ】-主語は中宮彰子。 |
葉に書く。 | その葉に書く。 | |
神代には | 神代には | |
ありもやしけむ | 有ったのでしょうか | |
山桜 | 山桜を | |
今日の挿頭に | 今日の祭の挿頭のために | |
折れるためしは | 折り取った例は | 【折れる】-実践本「おる」は定家の仮名遣い。 |
「四月祭の日まで、花ちり残りて侍りけるとし、その花を使少将のかざしにたまふ葉に書かきつけ侍りける 紫式部
神よには有りもやしけむ桜花今けふのかざしにをれるためしは」(寿本「新古今集」雑上 一四八五)