原文 実践女子大本 (定家本系筆頭) |
現代語訳 (渋谷栄一) |
注釈 【渋谷栄一】 |
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中将、 | 中将の君や | 【中将少将】-女房名。「中将」は素性不明、 |
少将と | 少将の君などと | 「少将」は小少将の君。 |
名ある人びとの、 | 呼び名を持った女房たちが、 | |
同じ細殿に住みて、 | 同じ細殿に住んでいて、 | |
少将の君を | わたしが少将の君と | |
夜な夜な逢ひつつ | 毎晩逢って | |
語らふを聞きて、 | 親しく語るのを聞いて、 | |
隣の中将、 | 隣の中将の君が、 | |
三笠山 | 三笠山の | 【三笠山同じ麓】-「中将」「少将」が同じ近衛府の官人であることをいう。 |
同じ麓を | 同じ麓なのに | |
さしわきて | 区別して | 【さしわきて】-「さし」は「笠」の縁語。 |
霞に谷の | 霞が谷を | |
隔てつるかな | 隔てるように分け隔てしていますね | |