原文 (実践女子大本) |
現代語訳 (渋谷栄一) |
注釈 【渋谷栄一】 |
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御五十日の夜、 | 御五十日の夜、 | 【御五十日の夜】-寛弘五年(一〇〇八)十一月一日の夜。 |
殿の「歌詠め」とのたまはすれば、 | 殿が「歌を詠め」とおっしゃったので、 | |
いかにいかが | 五十日のお祝に、 | 【いかにいかが】-「いか」に「五十」を掛ける。 |
数へやるべき | いかにしていかほどと数えやった らよいのでしょうか、 | |
八千歳の | 八千年もの | |
あまり久しき | あまりに久しい | |
君が御世をば | 若君の御寿命を | |
*「いかにいかがかぞへやるべきやちとせのあまり久しき君の御代をば」(黒川本「紫日記」九)
*「後一条生まれさせたまひての御五十日の時、法成寺入道前摂政、歌よめと申し侍りければ 紫式部
いかにいかがかぞへやるべきやちとせのあまりひさしききみがみよをば」(尊経閣文庫本「続古今集」賀 一八八五)
*「後一条院御いかのひよみ侍りける 入道前太政大臣
いかにいかがかぞへやるべきやちとせのあまりひさしき君が御代をば」(天理図書館本「続詞花集」賀 三三二)
*「後一条むまれさせたまひての御五十日のとき、法成寺入道前摂政歌よめとありければ 紫式部
いかにいかがかぞへやるべきやちとせのあまりひさしき君がみよをば」(竜門文庫本「万代集」賀 三七六二)
*「いかにいかが数へやるべき八千年のあまり久しき君が御代をば」(梅沢本「栄華物語」五九)