原文 (実践女子大本) |
現代語訳 (渋谷栄一) |
注釈 【渋谷栄一】 |
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内裏に水鶏の鳴くを、 | 宮中で水鶏が鳴くのを聞いて、 | |
七八日の夕月夜に、 | 七八日の夕月夜に、 | |
小少将の君、 | 小少将の君から、 | 【小少将の君】-源時通の娘。 |
天の戸の | 〈天上と〉宮中の |
【天の戸の月の通ひ路】-宮中の戸を見立てる。 〈とされるが天上が本来。地上のみに解さない〉 |
月の通ひ路 | 〈月と中宮の〉通路は | 〈宮中で中宮。独自〉 |
鎖さねども | 閉ざしてないのに | |
いかなる方に | どちらで | |
叩く水鶏ぞ | 戸を叩く水鶏なのでしょうか | 〈水鶏:くいな。鳴き声が戸を叩く音に喩えられる〉 |
「ゆふづく夜をかしきほどに、くひなのなき侍りければ 上東門院小少将
あまのとの月のかよひぢささねどもいかなるかたにたたくくひなぞ」(樋口芳麻呂氏本「新勅撰集」雑一 一〇五九)