原文 (実践女子大本) |
現代語訳 (渋谷栄一) |
注釈 【渋谷栄一】 |
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弥生の朔日、 | 三月の朔日に、 | 【弥生の朔日】-「朔日」は月の初め、一日の意があり、いずれとも特定できない。上巳の祓いの日。 |
河原に出でたるに、 | 賀茂の河原に出た時に、 | 【河原】-賀茂川の河原。 |
傍らなる車に | 隣の牛車に | |
法師の紙を冠にて、 | 法師が紙の冠をつけて、 | 【紙を冠にて】-紙の冠を着けて。どのような形か不明。 |
博士だちをるを | 陰陽博士めいた格好をしているのを | 【博士】-陰陽博士。 |
憎みて、 | 憎らしく思ったので、 | |
祓へどの | 祓へどの | |
神のかざりの | 神の前に飾った | |
みてぐらに | 御幣に | |
うたてもまがふ | いやに似通った | |
耳はさみかな | 紙冠ですこと | 【耳はさみ】-紙冠を耳にさし挟んだ格好をいう。 |