源氏物語1帖 桐壺 1-2e 事にふれて数知らず:逐語対訳

御局は桐壺 桐壺
第1章
2e
事にふれ
この御子三つ
原文
定家本
明融臨模本
現代語訳
(渋谷栄一)
各自要検討
注釈
【渋谷栄一】
各自要検討
事にふれて
数知らず
苦しきこと
のみ
まされば、
何かにつけて
数知れないほど
辛いこと
ばかりが
増えていくので、
【事にふれて】
:以下、視点は、桐壺更衣の様子から、帝の態度へと変じてゆき、上局の部屋を他に変えさせられた別の更衣の恨みが語られる。
いといたう
思ひ
わびたるを、
たいそうひどく
思い
悩んでいるのを、
 
いとど
あはれと
御覧じて、
ますます
お気の毒に
おぼし召されて、
 
後涼殿に
もとより
さぶらひ
たまふ
更衣の
曹司を
他に
移させ
たまひて、
後凉殿に
以前から
ご伺候
なさっていた
更衣の
部屋を
他に
移させ
なさって、
 
上局に
賜はす。
上局として
御下賜あそばす。
 
     
その
恨み
まして
やらむ方
なし。
その方の
恨みは
なおいっそうに
晴らしようが
ない。
 
御局は桐壺 桐壺
第1章
2e
事にふれ
この御子三つ