枕草子 補 品こそ男も女も(能因本:旧全集311段)

補11
四位五位は
枕草子
下巻中
補12
品こそ
人の顔に

(旧)大系,新大系,新編全集=三巻本:ナシ
(旧)全集=能因本:311段
上記三巻本になく能因本のみにある段は、著者が身内本たる能因本からより広い世間の目を意識し(最終段:人のために便なき言ひ過ぐしもしつべき所々もあれば)、なかったことにして改訂したものと解する(独自)
 


 
 品(しな)こそ男も女もあらまほしき事なンめれ。
 家の君にてあるにも、たれかは、よしあしを定むる。それだに物見知りたる使人行きて、おのづから言ふべかンめり。
 ましてまじらひする人は、いとこよなし。猫の土におりたるやうにて。