枕草子 補 月夜にむな車のありきたる(能因本:旧全集54段)

細殿に 枕草子
上巻中
補2
月夜に
主殿司

(旧)大系,新大系,新編全集=主要三巻本系列:ナシ
(旧)全集=能因本:54段
上記三巻本になく能因本のみにある段は、著者が身内本たる能因本からより広い世間の目を意識し(最終段:人のために便なき言ひ過ぐしもしつべき所々もあれば)、なかったことにして改訂したものと解する(独自)
 


 
 月夜にむな車のありきたる。
 清げなる男のにくげなる妻持ちたる。
 鬚黒ににくげなる人の、年老いたるが、物語する人のちごもてあそびたる。