双六の上手といひし人に、そのてだてを問ひ侍りしかば、「勝たんとうつべからず。負けじとうつべきなり。いづれの手か疾く負けぬべきと案じて、その手をつかはずして、一めなりともおそく負くべき手につくべし」といふ。 道を知れる教へ、身を修め、国を保たむ道もまたしかなり。