朝夕隔てなく馴れたる人の、ともある時、我に心おき、ひきくつろへるさまに見ゆるこそ、「今更かくやは」など言ふ人もありぬべけれど、なほげにげにしく、よき人かなとぞおぼゆる。
疎き人の、うちとけたることなど言ひたる、また、よしと思ひつきぬべし。