諒闇(りょうあん)の年ばかりあはれなることはあらじ。
椅廬の御所のさまなど、板敷をさげ、葦の御簾をかけて、布の帽額あらあらしく、御調度どもおろそかに、皆人の装束、太刀、平緒まで、ことなるやうぞゆゆしき。