俳 句 |
『おくのほそ道』 素龍清書原本 校訂 |
『新釈奥の細道』 |
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酒田のなごり日を重ねて、北陸道の雲に望む。 | 酒田の名殘日をかさねて北陸道の雲にのそむ | |
遙々の思ひ胸をいたましめて、 | 遙々のおもひ胸をいたましめて | |
加賀の府まで百三十里と聞く。 | 加賀の府まで百卅里ときく | |
鼠の関を越ゆれば、 | 鼠の關をこゆれば | |
越後の地に歩みを改めて、 | 越後の地に步行を改めて | |
越中の国市振の関に至る。 | 越中の國一ふりの關にいたる | |
この間九日、暑湿の労に神を悩まし、 | 此間九日暑濕の勞に神をなやまし | |
病おこりて事をしるさず。 | 病發りて事を記さず | |
♪ 45 |
文月や 六日も常の 夜には似ず | 文月や 六日も常の 夜には似ず |
♪ 46 |
荒海や 佐渡に横たふ 天の河 | あら海や 佐渡に橫たふ 天河 |